オーダーメイドの靴を作る時
オーダメイドの靴を作りたいと思った時、靴完成までにはいろいろな手順があります。一般的なご注文方法をご紹介します。
実際には、オーダーをする工房やショップにより、多少の違いがあります。
注文の流れの例
1.ご相談
2.採寸
3.皮革・デザイン決定
4.お見積もり・御成約
5.木型(ラスト)の修正
6.設計・型紙作成
7.手縫い
8.裁断
9.皮をすく・みみ折り
10.縫製
11.仮合わせ
12.釣り込み
13.底付け
14.仕上げ
15.完成・お渡し
メリット
・色やデザインを選ぶことができる
・自分の足に合わせて、調整してもらえる
・外反母趾などの足のトラブルから解放される
・既成の靴と変わらない価格のお店がある
デメリット
・高いので、一度に複数、購入するのは難しい。
・たくさんの作業工程があるので、出来上がりまでに時間がかかる
・足の形(幅狭、甲薄)により、お店にある木型が合わない場合がある
靴の素材
本革(天然皮革)
革と皮の違いについて
皮は加工を施す前の原皮のことで、皮が腐ったり、変質しないようになめしという作業を施すと「革」となります。中でも牛革は丈夫で綺麗な質感を持っていることから、革製品では、よく使用されています。 牛以外にも、馬や羊、豚、爬虫類など、いろいろな皮革が使われます。
カーフ(牛革)
牛革の中でも生後6ヶ月までの仔牛の皮革で、牛革の中で最もきめが細かく、しなやかで美しい艶を持っています。
キップ(牛革)
生後6ヶ月から2年未満の中牛の皮革で、カーフに準じてきめが細かく、しなやかですが、やや厚手になっています。
カウ(牛革)
生後2年ほどの出産を経験したメス牛の皮革で、厚くて丈夫なのが特徴です。
ステア(牛革)
生後3~6ヶ月以内に去勢したオス牛が、2年以上の成牛になった時の皮革で耐久性が高いのが特徴です。
ブル(牛革)
生後3年以上たったオス牛の皮革で、厚くて丈夫なのでソール部分に使用されることが多いです。
馬革
馬革は牛革よりもきめが細かく丈夫です。靴用としては、おしりの部分をコードバンと言い、光沢があり美しく長持ちします。使い込むほどに、独特な味のある艶が出ます。また、裂けやすいという特徴があるため、薄くしたり、繊細な加工をした靴には向きません、
豚革
やわらかく摩擦耐久性に優れているため、靴では中敷に使用されることが多いです。
羊革
薄くて柔らかい素材の皮革で、シープレザーとも呼ばれます。
山羊革
羊革よりも丈夫で緻密な繊維質の革で、ゴートスキンとも呼ばれます。
その他
オーストリッチ(ダチョウ)革、カンガルー革、ワニ革、トカゲ革、ヘビ革など
人工皮革
天然皮革に近い風合いを人工的に再現した素材です。通気性と強度、質感に優れて、品質にばらつきがなく経済性にも優れた素材です。
合成皮革
繊維にナイロンやポリウレタンをコーティングした素材です。人工皮革より更に経済性に優れているが、感触や通気性は人工皮革には及びません。
天然繊維
綿や麻のことです。綿は吸湿性に優れ、靴意外でも衣類などに最も多く使われる繊維資材です。 麻は水分の吸収と発散が早く、アッパー部分の素材だけでなく、ひも状にした麻がソールやヒール部分にも使用されます。
合成繊維
アクリル、ナイロンなどです。合成繊維は「クモの糸よりも細く、鉄よりも丈夫な繊維」と呼ばれ、天然繊維と比較すると軽くて丈夫です。また、天然繊維よりも発色性に優れています。
革の加工
銀付き革(本染め)
天然皮革をなめしや染色を施したスタンダードな仕上げの革です。革の銀面(毛のついていた側の表面)の層を生かし、革の本来持っているシワや質感など自然なものが楽しめます。
ガラス張り
成牛皮をなめし、ガラス板やホーロー加工を施した鉄板などに貼り付けて乾燥させ、銀面をキレイにバフ、塗装仕上げした革です。成牛革銀面の傷やきめの粗さと言った欠点を隠し、均一な革にすることができます。銀付き革に比べ安価な革で作れますので、安価な製品に多く使用されます。
起毛革
牛・羊など皮の裏側の繊維の太い部分をサンドペーパーでけば立たせた革で、ヌバック、スエード、ベロアなど起毛の細かさ等によって、分かれてます。
エナメル
なめし革の表面に樹脂塗装等をして、光沢を出し耐水性を強めたものです。
揉み革
なめし革の表面を削り、もんで柔らかにしたものです。
シュリンクレザー
薬品を使い、表面に細かい縮みじわをつけた(シュリンク加工)なめし革のことです。
型押し
加熱した型板で高圧プレスして、型をつけた皮革、トカゲやワニなど、さまざまな模様があります。
メッシュ
細く裁断した革を編み上げて織物状にしたものや、細かく穴を開けた皮革
撥水レザー
撥水加工された皮革、撥水材を内部まで染み込ませたものから、表面に散布したものなどがあります。